トントントン、トントントン
おっさんに肩を叩かれて目が覚めた。
寝ぼけていたが、トニカク降りろ的な感じだったので、言われるがままに降りた。
そしてバスは去って行った。
12月28日 AM10:00頃 道に到着
ん、え、どこここ?
山道で降ろされバスの去っていく後ろ姿を呆然と見つめていた。
バスの右後ろのタイヤがパンクしていた。
Googleマップを開くとバスターミナルはまだ少し先だった。
そこに一台のバイクが通りがかった。
この時の私の反射神経はアスリートを超えていたと思う。
メイウェザーにも勝る反射神経でバイクの運転手を避ける事なく確実に止めた
『ヘイ、スカブミバスターミナルまで送ってくれないか?』
運転手『は?』
『スカブミバスターミナル!』更に右手に5万ルピア。
運転手は状況を理解して乗れっと言ってきた。
私は跨りバスターミナルへと向かった。
12月28日 PM10:30頃 スカブミバスターミナル到着
やっと着いたーと思ったら、おい、日本人か?見ろよ日本人だぜ!おい!日本人がいるぜー!と人がどんどん押し寄せてきた。
何しに来たの?それは何?など質問攻めにあった。
とりあえずコーヒーを買って縁石に座って一服だ。
バイクタクシーの青年が
『オイ、その巻いてるものは何だ?』と聞いてきたので答えた
『これか?ヨーロッパ産だ』
青年『俺にもくれよ』
『これは高いんだよ』
青年『ホテルまで送ってやるからさ』
青年の分まで巻いて与えた。
青年はむせ返って辛そうだった。
『これも良いぜ』
そう言って私はワサビ豆を与えた。
案の定の反応だったので私は腹を抱えて笑った。
そして、青年は他の連中にも一粒ずつ配り、悶絶している連中を見て腹を抱えて笑っていた。
青年『もう一袋くれないか?』
周りを見渡すとなかなかの人の数だったので小分けにされた小袋を5袋を与えた。
そして、私は青年にホテルまで送ってもらった。
チェックインまで少し時間があったので、青年と飯を食うことにした。
12月28日 PM11:00頃 飯
そこの食堂には私を除いて2人の日本人が来たことがあるそうだ。
そう、得意気に大将が語った。
青年は大将にワサビ豆を与えた。
すると大将は悶絶する事なく、強がった雰囲気で『イケるねぇ』と言った。
青年がもう一つどうだ?とニヤニヤして渡そうとしたが、大将は厳しめな表情で断った。
12月28日 PM2:00 Anugrah HOTEL チェックイン
チェックインの時間になったので、青年とも別れてホテルの部屋へ入り儀式を行った。
アヌグラホテルをAgodaで見る小さなジム付きプール付き、ボタンでカーテンの開閉ができる私には大変もったいない、リッチなホテルだった。
一泊2800円〜なので大変安い。
私は散歩に出かけた。
坂道が多く、歩くのも疲れる地形だったが、はじめての土地は疲れを忘れさせるほどの好奇心に掻き立てられた。
生きた鳥を捌く市場、デパート、ボロボロの食堂と、新旧が共存した街だった。
バリ島、バニュワンギ、ジョグジャカルタ、バンドゥン、スカブミと来たが、スカブミの女性は特に綺麗だった。
肌が白くて綺麗で、とてもインドネシア人と思えぬ見た目だった。
たしかに、ホテルのシャワーは軟水と感じるほど柔らかく、飲めてしまうのでは?と思えてしまうくらいサビた感じがしなかった。
水が綺麗な土地は野菜もみずみずしく、女性もみずみずしい程の肌を持ち合わせるのかもしれない。
驚いたのが、野菜、果物が立派な事。
バリ島で食べる野菜のほとんどが水分不足と感じるくらいしなびみているが、スカブミの野菜はみずみずしい。
イチゴも美味しかったし、胡瓜も美味しかった。
スカブミで外国人を見なかった事にも驚いた。
とりあえず新しい土地に着いたら情報収集だ。
スカブミまでの今までの街なら、だいたい声をかけられたが、ここに来て声をかけられなくなった。
と、言うよりも慣れない外国人にどう接すればいいかわからないみたいな雰囲気を感じた。
ならば、こちらから声をかけるまでだ。
男女問わず声をかけたが、あえなく撃沈だ。
遊べる場所や出会いの場所などわからないので、この日はゆっくり過ごす事に決めた。
明日はいよいよグヌンパダン遺跡だ。
コメント